カメラのレビュー記事や仕様表を見ていると、F値って単語がよく出てきますね。
F値っていうのは、レンズの明るさを表す数値なんです。
カメラは被写体の明るさを計測して、暗すぎず明るすぎず、その場に適したちょうど良い明るさの写真にしてくれます。
この時、光の量を調整する方法として、絞りとシャッター、ISO感度の3種類を利用しています。
F値は、この3種類の中の、「絞り」の量を表す数値なんです。
絞りは、光がイメージセンサーに入る光の量を、レンズの絞り羽根の穴の大きさ(光がとおる面積)で調整しています。
「えっ?さっき、レンズの明るさを表す数値って言ったじゃん!」
という声が聞こえてきそうですが・・・・
F値は、レンズの明るさを表す数値としても使います。
「どういうこと????」
レンズって、実は1枚じゃなく、何枚も重ねて作られています。
下記は一眼レフ用のレンズのイメージ図です。レンズの構成はレンズの値段やズーム幅に合わせて、メーカーが最適な製品になるよう設計されています。
特にズームレンズなんていうのは、何枚ものレンズが組み合わされています。
レンズって透明なんですけど、何枚も重なると光が弱まっていきます。
つまり、レンズそれ自身が光を弱めてしまうんです。
この光が減衰する現象を、カメラ用語で「暗い」と表現します。
レンズの減衰量が小さい=「明るい」、レンズの減衰量が大きい=「暗い」
という訳です。
絞りは穴の面積で、レンズはレンズ自身の透明度でという違いはありますが、ともにレンズから入ってくる光の量を調整するものなので、F値という単位を使っています。
イメージ的には
F値=レンズ固有の明るさ+絞り羽根の穴の面積
ということになります。
絞り値は光の量を積極的に調整するものですが、レンズはそれ自身の作りによって決まるため、調整できません。
本当は全く光が減衰しない(明るい)レンズが理想的なのですが、レンズ本体の大きさや値段を考慮して、ある程度の減衰は我慢しているのが実情です。