さて、今回は液晶モニタとファインダーです。
ほとんどのコンデジには、必ずと言っていいほど背面に液晶モニタが搭載されています。
仕様表には、たいてい液晶モニタのサイズとドット数、液晶の種類などが記述されています。
どんな種類があって、どんな原理で動作しているかは、こちらのサイトに詳しく記述されているので、興味のある方がご参考にして下さい。
製品選びの際、ここで注意すべき点は、液晶のチルト機能、タッチパネル機能、そしてファインダーの有無です。
チルトとタッチパネルは、使い勝手が大幅に向上する
チルトは自分撮りをする方にとって必須ですね。
自分撮りをしない方であっても、例えばテーブルにカメラを置いて、そこから食器や料理を撮影するたけでも、ずいぶん新鮮な写真が撮れたりします。
もしくは、何かのイベントで、人だかりの中から写真を撮るとき、自分より高い位置から被写体を撮影したいという事もありますよね。
そんな時にチルト機能があると、様々な状況で撮影が楽になります。
また、カメラの様々なモードを切り替えたり、撮影した写真をチェックしたり、或いはピンボケをズームで確認する時などは、ボタン操作よりタッチパネルの方が圧倒的に操作しやすくなります。
数万円の高級クラスの製品には、チルトやタッチパネルが搭載されていることも多いですが、例えば高級クラスの型落ちや廉価版のコンデジなんかは、どちらも搭載されていないか、どちらか一方しか搭載されていないケースも多々あります。
当たり前に付いていると思って製品を選ぶと後で後悔することになるので、購入時は十分チェックが必要です。
ファインダーは炎天下の屋外と、暗い部屋での撮影に有利
液晶モニタがあるのでファインダーはあまり意識されないかもしれませんが、あると便利です。
どんな時に便利かと言うと、ずばり炎天下の屋外での撮影です。
昔に比べて液晶モニタの性能がアップしているので、だいぶ改善されましたが、それでも炎天下の屋外で撮影する場合、液晶モニタがほとんど見えな事が良く起きます。
太陽光に比べて液晶の発光は弱いので、どうしても画像が見辛くなるのです。
そんな時、ファインダーがあると、太陽光にじゃまされず被写体を追いかけることができるので便利です。
また、コンデジは両手を前に出して撮影してしまいがちなので、カメラを固定して手振れを防ぐということが困難です。
ただでさえ手振れしやすい構え方なのに、光の量が少ない暗い部屋で撮影すとしたら、たとえ手振れ補正機能があっても手振れを誘発してしまいます。
ファインダーを覗いて撮影すると、自然に脇がしまるとともに、カメラが額や鼻で固定されるため、手振れが起きにくくなります。
ただ、その分値段が高くなるのと、ボディサイズが若干大きくなるというデメリットもあるので、そこは値段やサイズとの相談になります。
チルトとタッチパネルは、仕様表に書かれていないことも
例えば、PowerShot G7 X Mark II の仕様表を見てみると、以下の様に記載されています。
ファインダー | - |
---|---|
液晶モニター | 3.0型TFTカラー液晶(約104万ドット)、アスペクト比3:2、視野率:約100%、チルトタイプ |
タッチパネル | ○(静電容量方式) |
仕様表にチルトタイプと、タッチパネルがしっかり記述されていますね。
こんどはソニーRX100M6 を見ていましょう。
モニター | |
---|---|
モニタータイプ | 3.0型(4:3) / 1,228,800ドット / エクストラファイン液晶 / TFT LCD |
明るさ調節機能 | マニュアル(5段階) / 屋外晴天 |
角度調節機能 | 上に約180度、下に約45度 |
ビューファインダー | |
型式/総ドット数 | 0.39型 電子式ビューファインダー(OLED)、2,359,296ドット |
明るさ調節機能 | 自動明るさ調整または5段階の手動設定 |
視野率 | 100% |
倍率 | 約0.59倍(35mm判換算、50mmレンズ、無限遠、視度-1m-1時) |
アイポイント | 最終光学面から約20mm、接眼枠から約19.2mm(視度-1m-1時) (CIPA規格準拠) |
視度調整 | -4.0 – +3.0m-1 |
おっと、チルトやタッチの文言がどこにも書かれていませんね。
よくよく見ると、角度調節機能 として 「上に約180度、下に約45度」と書かれていたり、「その他の撮影機能」の欄に「タッチシャッター」という記述があるため、よく読むと記載されてはいるのですが、ぱっと見た感じ分かりづらいですよね。
でも、カタログや製品ホームページで製品の特長を見ると、しっかりとチルトやタッチ機能の事が書かれています。
この例の様に、仕様表に記載しないメーカーもあるので、その点は注意が必要です。
チルトの可動域を広げたのがバリアングル液晶
チルトの他にバリアングル液晶というのがあります。
まだまだ一部の製品にしか備わっていませんが、チルトとバリアングルの違いは、液晶モニタの可動域です。
チルトは液晶モニタが上下方向(製品によっては上方向のみ)に動くのですが、バリアングルは上下左右に
動きます。
くわしくはこちらのサイトに写真入りで説明がありますので、ご参考まで。
チルトのバージョンアップ版がバリアングルとなるわけですが、可動域が増える分、どうしても液晶モニタ自身の
厚みが増すことになりますので、ボディサイズの面では少しだけデメリットとなります。
視野率は100%がベスト
視野率は、ファインダーで見た時の範囲と、実際に写真に写る範囲の比率です。
100%以下だと、ファインダーで見えている範囲が写真に写る範囲より小さくなります。
つまり、自分はファインダーで見ている範囲を写真に収めたとしても、実際にはその周りが少し映り込んでしまうという事です。
ファインダーには光学ファインダーと電子ファインダーの2種類があり、電子ファインダーの場合は100%が多いのですが、光学ファインダーは100%より小さいことが多いです。
コンデジの光学ファインダーと一眼レフの光学ファインダーは、まったく原理が違っていて、コンデジの光学ファインダーは単にレンズの付いた小窓を付けた単純な構造であるため、あくまでもおまけという位置づけです。
昔のコンデジでは、時々光学ファインダーが搭載された製品もありましたが、今はほとんど見当たりませんね。
まとめ
それでは、今回のまとめです。
- 液晶にチルト機能とタッチパネル機能があると、撮影の幅が広がる
- ファインダーがあると、炎天下の撮影や、室内での手振れに役立つ
という事になります。
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