写真と撮る際のテクニックとして、被写体を浮かび上がらせるため、背景をぼかすという方法があります。
一眼レフのサンプル写真なんかに良く登場する、たとえば下記の様な写真です。
これは縦35mm、横24mm という巨大なイメージセンサー、俗にいうフルサイズのイメージセンサーを搭載した、ソニー α7 というミラーレス一眼で撮影した写真なのですが、被写体である薔薇の背景が完全にボケてますよね。
ボケはピントが合った場所を基準として、その前後に発生します。
しかし、撮影時の諸々の条件、例えば使っているレンズや絞り、被写体までの距離、被写体と背景までの距離によってボケの量が変わってきますので、時には思うようにボケない事もあります。
ここでは、ボケを作るための条件について説明したいと思います。
ボケは人の目のピントと同じ
人が物を見るとき、見ているものはちゃんと見えていますが、その背景はボケます。
これは無意識のうちにそうなっているのですが、例えば目の前に人差し指を立てて、その指に目のピントを合わせることで確認できます。
指を見つめながら、視線をそらさず、その周辺に意識を向けると、ボケていることが分かると思います。
今度は、立てた人差し指のすぐ後ろに、もう片方の手で拳を作ってから、人差し指にピントを合わせてください。
今度は、拳を徐々に遠ざけていきます。
どうですか? 人差し指から視線をそらさない状態で、拳に意識を向けると、拳がボケますよね。
そして、拳を遠ざけるほど、拳のボケ量が大きくなります。
ボケ量はレンズと被写体の距離で変わる
目をカメラのレンズだと考えた場合、レンズに被写体が近いほど、背景がボケけます。
ボケ量は被写体と背景の距離で変わる
そして、被写体被写体と背景が遠いほど、背景がボケます。
ボケ量はレンズの絞り値の大小で変わる
今度はレンズの絞りについて考えてみます。
近視の方なら良く分かると思いますが、遠くのものが見えない場合、目を細めますよね。
カメラの場合、目を細める=絞りを絞る=絞り値を大きくするという行為になります。
絞り値を大きくすると、ボケの量が大きくなり、絞り値を小さくすると、ボケの量が小さくなります。
絞り値はカメラ側で設定できますが、レンズによって上限と下限が決まっています。
絞り値を小さくするほど、ボケの量が大きくなりますが、レンズの下限がF3.5だったら、それ以上絞り値を小さく設定することが出来ません。
従って、いかに下限が小さいレンズ(俗に言う明るいレンズ)が装着されているかによって、ボケ方が左右されます。
ボケ量はイメージセンサーの大小で変わる
ここまでで、ボケ量を左右する要因として、レンズと被写体の距離、被写体と背景の距離、絞り値の値を説明しました。
更に、ボケ量を左右するものとして、イメージセンサーのサイズがあります。
イメージセンサーのサイズが小さい方がボケの量が小さく、大きい方がボケの量が多くなります。
ボケ量はレンズの焦点距離で変わる
実は、レンズの焦点距離でもボケ量は変わります。
焦点距離が短いレンズ、例えば 20mm、24mm、28mm などの、いわゆる広角レンズの方が、ボケ量は小さくなります。
逆に焦点距離が長いレンズ、例えば 200mm、300mm、800mm などの、いわゆる望遠レンズの方が、ボケ量は大きくなります。
まとめ
如何でしたか?
ボケ量を左右する要因は、結構たくさんありますよね。
まとめると、
- カメラと被写体の距離が大きい方が、よくボケる
- 被写体と背景の距離が大きい方が、よくボケる
- 絞り値が小さい(開放側)の方が、よくボケる
- 明るいレンズ(最小F値が小さい)方が、よくボケる
- 望遠レンズの方が、よくボケる
という事になります。