コンデジで使うメモリーカードにはいくつかの種類がありますので、ここでは整理しておきたいと思います。
一般的に使われているメモリーカードはSDカードと呼ばれるものです。
その昔、サンディスクとシーメンスが共同開発した「マルチメディアカード」、ソニーが開発した「メモリースティック」、富士フィルムとオリンパスが共同開発した「xDピクチャーカード」なるものがありましたが、今は市場から姿を消していますので、ここでは触れないでおきます。
また、デジタル一眼レフの一部高級機種に「コンパクトフラッシュ」というものが使われていますが、コンデジでは使われないので、これも触れないでおきたいと思います。
サイズ
さて、SDカードですが、大きさは3種類あります。
上から順位、SDカード、miniSDカード、microSDカードと呼ばれていますが、真ん中のminiSDカードは、現在ではほとんど見かけることは無くなりました。
容量
SDカードはデジタルカメラやデジタルビデオカメラの解像度、データ容量増加に合わせて規格の拡張が繰り返されてきました。
SDカードといっても今はSDHC、SDXC規格の製品が主流となっています。
SD | SDHC | SDXC | SDUC | |
---|---|---|---|---|
規格策定 | 1999年8月 | 2006年1月 | 2009年8月 | 2018年6月 |
対応容量 | 128MB~2GB | 4GB~32GB | 64GB~2TB | 128TB |
2018年6月に新しい規格「SDUC」が発表され、いきなり128TBの容量に対応するようになりました。製品化はこれからであり、製品化されても値段がとてつもなく高額になると思われるので、実際に使われ始めるのは何年も先の話だろうと思います。
1TBとか128TBと言われてもピンとこない方のために例えてみます。
SDカードが1メートルだとすると、SDHCは16メートル、SDXCは1キロメートル、SDUCは64キロメートルにもなります。
転送速度
転送速度とは、メモリカードに対して読み書きする速度のことです。
一般的に読み出しより書き込みの方が遅くなっています。
デジカメで写真を連写したとき、しばらくシャッターが押せずに待たされることがありますが、書き込み速度が遅いメモリカードだと、この現象が頻繁に発生します。
メモリカードの書き込み速度を示す表記方法には、いくつかの種類がありますので、下記の表にまとめてみました。
この中で、スピードクラスという表記方法と、USHスピードクラスという表記方法があって2つの違いがよくわからないかもしれませんが、スピードクラスはSDメモリカード対応の機器であればその速度が保証されるものであるのに対し、USHスピードクラスはコンデジ側がUSH規格に対応している必要があります。
しかし、スピードクラスもUSHスピードクラスも意味合いは同じで、「最悪でもこの速度での書き込みは保証できますよ」という意味で解釈してください。
ビデオスピードクラスについては最近使われだした表記で、ビデオ撮影で使う場合の速度の目安です。
転送速度についてですが、例えば300MB/sec と書かれているのは、1秒間に300MB書き込めるという事になります。
仮に、コンデジで撮影した写真1枚が10MBの容量だったら、1/30秒=0.3秒でメモリカードに書き込める計算になります。
その横のビットレートも転送速度を表す表現ですが、こちらは専門的な話になるのでここでは詳しく述べませんが、例えばフレッツ光やソフトバンク光などで、「1Gbps高速インターネット」とかいう表現をしているのと同じものです。
転送速度 | ビットレート | 倍速表示 | スピードクラス表示 | UHSスピードクラス表示 | ビデオスピードクラス表示 |
---|---|---|---|---|---|
300MB/sec | 2400Mpbs | 2000倍速 | |||
160MB/sec | 1280Mbps | 1066倍速 | |||
150MB/sec | 1200Mbps | 1000倍速 | |||
120MB/sec | 960Mbps | 800倍速 | |||
90MB/sec | 720Mbps | 600倍速 | V90 | ||
60MB/sec | 480Mbps | 400倍速 | V60 | ||
30MB/sec | 240Mbps | 200倍速 | クラス3 | V30 | |
22.5MB/sec | 180Mbps | 150倍速 | |||
20MB/sec | 160Mbps | 133倍速 | |||
15MB | 120Mbps | 100倍速 | |||
12MB/sec | 96Mbps | 80倍速 | |||
10MB/sec | 80Mbps | 67倍速 | Class10 | クラス1 | V10 |
9MB/sec | 72Mbps | 60倍速 | |||
6MB/sec | 48Mbps | 40倍速 | Class6 | ||
4MB/sec | 32Mbps | 27倍速 | Class4 | ||
2MB/sec | 16Mbps | 13倍速 | Class2 |
ざっくりとですが、速度を例えてみました。イメージとしてはこんな感じかな?
倍速表示 | クラス表示 | 時速 | 身近な例え |
---|---|---|---|
13倍速 | Class2 | 4Km | 人 |
40倍速 | Class6 | 12Km | ママチャリ |
67倍速 | Class10 | 20Km | ロードバイク |
200倍速 | UHSクラス3 | 66Km | 一般道を走る自動車 |
600倍速 | V9 | 200Km | 普通のヘリコプター |
2000倍速 | 666Km | ジェット機 |
表記の見方
メモリカードの表面には、そのメモリカードの書き込み速度が複数の表記で記載されています。
この例では、スピードクラス10となっていますので、最低限10MB/秒の書き込み速度が保証されています。
UHSスピードクラスは3が表記されているので、UHS規格に対応している機器の場合は30MB/秒の書き込み速度が保証されます。
選ぶときは、まず機種を選ばないスピードクラスが10と書かれているものを選んでおいて、そのうえでUHS規格の書き込み速度が速い製品を選べば安心です。